退屈が一番の敵

今日のお昼は職場の人と一緒に食べた。

返事がいつも上品な女性で好ましいなあと思っていたので、お昼一緒に食べませんかと聞かれてOKした。

体調が悪かったのでうどんにした。天かすすら食べたくなかったので、天かすいらないですと食堂のお姉さんに伝えたら、わかめを代わりに入れてくれた。

ニコっと笑って「代わりにわかめを入れておきました」ってきゅんときた。かわいらしかった。笑顔にやられた。尊いアガペー。ありがとうございます。

 

お昼休みの間、職場の女性の愚痴を聞いていた。その人は仕事ができて頼られていて、いつも気が利いて、上品な振る舞いができる方で、私は密かに憧れていた。そんな人が目の前で心の内を話してくれるのは、一種の娯楽だなあと思った。悩みがなさそうな人が悩みを話してくれるんだもの。

 

その人の話を聞いて、その人が欲しているだろう言葉を必死に考えて相槌を打っていた。

解決策とかはもちろん言えなかったけれど、「はーすっきりした。聞いてくれてありがとう」って最後に言ってくれたのでよかった。

 

最近そんなことばかりしている。他人が欲しがっている言葉を言ってあげる。自分が言った言葉で相手が満足するなら私も満足だと思っていたけれど、本当はそのたびに心が少しずつスカスカになっていっているのかもしれない。

 

好きな男の子と毎日ラインしているんだけれど、自己肯定感が低くて疲れる。毎回良いところとか褒めるんだけれど、謙遜されて私のことを代わりに褒めてくる。他の男子の名前が出てそいつのほうが俺より○○がうまいですよとかラインくる。○○くんのほうが○○がすごいよ~とか言うと、嬉しいですねとか来る。

 

正直疲れた。なんでちゃんと受け取ってもらえないんだろう。私はその男子が素敵だと思って高い値札を張り付けているのに、その人はわざわざ自分から値下げして安い値札に張り替える。そんな気分を毎回味わっている。

 

昨日、女の子たちが彼氏の話で盛り上がっていた。聞いていると、うわあ、めんどくさいって思うような内容ばかり。でも羨ましかったのもある。

私はそのめんどくさい作業を今まで一回もしたことがないから。女の子たちは恋人のことがちゃんと好きだから、めんどくさいことをちゃんと向き合っているんだろうな、と思ったら、そんなことが私にできるんかいなと思った。

 

好きな人に毎回謙遜されると疲れる。はーーーーー、下になろうとしなくていいのに。

同じ目線で話してくれないかな、と思う。疲れた。

でもそこで私も卑屈になったらだめだな。

やれることはやってみる。ストレートに好意を伝え続けてみる。それでだめだったら諦める。ベタにチョコも渡してみる。

 

 

男の先輩と昨日会う機会が会って、話していたら癒された。

腰が痛くてさすっていたら、すぐに気づいて「腰が痛いの?大丈夫?無理しないで」と言ってくれて、癒された。

先輩は結婚しているからなー。奥さんがうらやましい。

笑顔がかわいくて、なんでも聞いてくれそうで、私の欲しい言葉をするする与えてくれて。

気を抜いてへらへらしていられるから安心する。それはたぶん、先輩がおおらかだからだな。一緒にいて安心できる相手がいいな。素が出せる相手がいいな。器が大きい人がいいな。一緒にいて悲しくなるような相手ではなく。

私も先輩みたいに大らかになりたい。

 

昼休みに外で陽の光に反射してぴかぴか光りながら風に吹かれて揺れる木の葉っぱを見ていたら、ああ幸せだなって思った。

 

幸せを噛みしめるのってこういう何気ない時かもしれない。

受験に成功したとき、卒業して就職したとき、結婚、出産、色々人生の節目はあるけれど、私は何もない今が幸せだな、うっすらと自覚した。

 

何にも持ってなくて、自由だな。

彼氏はいないし、結婚もしてないし、子どももいないし、介護が必要な家族はいないし、今の仕事は重圧を感じるような責任もないし、ひどく自由だ。

 

彼氏ができなくて悩むけど、でもいざ彼氏ができたり結婚できたとしても悩みは尽きないだろう。

 

それなら今は何もないことを幸せに生きていきたい。

 

ぽかぽかした陽の下をずっと歩いていくように生きていたいなってお昼休みに散歩しながら思った。

 

来月から一人暮らしする。

物件探しと内見は大変だったけど、楽しかった。

明日契約金をお支払いに行く。

分かっていたけれど、お金がどんどん出ていく。不安だな。でも不安で当たり前だ。せっかくだから楽しんでいこう。どきどきしていけー。苦労も娯楽のうち!退屈が一番の敵!!